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展覧会
 吾輩がコノ家にはじめてきたとき、家の中はこのような白いモノでいっぱいであった。大きくてひんやりしていて、あるときは優しく、あるときは冷たくこちらを見やり、またあるときは彼方をじっと見つめているのであった。一つ一つが動き出しそうであり、またいつまでもこのままでありそうであり、一瞬と永遠とを感じずにはいられない。家人の一人は「わからない。」と言っていたが、何でも理解できないと気がすまない阿呆者だ。
 家人が吾輩そっちのけでこの白いモノにつきっきりであったので、吾輩も一緒に見つめあったり、外を見たり、それはそれは可愛がった。あるとき、いつもと同じように寄り添ったり、上になったりして楽しんでいると、彼が倒れた。彼はいくつもの破片となって、辺りに散った。力が強すぎたのか、重すぎたのか、吾輩は自分でも気づかぬうちに成長していた。いつまでも続くと思っていた時間は長く続かなかった。変わることが無いと思っていた関係は、実は一定のものでさえ無かった。家人は悲しみ、彼を元通りにしようとしたが、かなわなかった。元通りになろうとしている彼は痛々しく、吾輩の胸も痛んだ。家人があきらめたとき、彼もあきらめた。安らかな眼差しは以前の彼と変わらなかった。家人は吾輩を、そして自分自身を非難した。因果応報という言葉がこの場合当てはまるのだろうか?残った白いモノたちは黙したまま、彼と同じ眼差しで、彼方を見、そしてこちらを見つめていた。
  

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by sugaruyanikki | 2008-07-10 22:44